自閉症児の自傷行為による失明の判例
これも京都地裁 別件です。
次のようなニュースが飛び込んできました。
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1月26日 京都地裁 養護学校在学時の自閉症児の失明 損害賠償請求を棄却
京都府長岡京市の京都府立向日が丘養護学校小学部に在学していた自閉症の女性(22)が自分で目を傷つけて失明したのは、学校が女性に合わないカリキュラムを強制したことが原因として、両親が府を相手に約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。裁判所は「女性の自傷を防ぐのは不可能だった」として、請求を棄却した。
判決によると、女性は1990年に同養護学校小学部に転入したが、手で目をたたくといった自傷行為が現れ始め、6年生だった94年9月下旬に両目が外傷性白内障を患い、失明した。
両親は「学校が他の児童と同じカリキュラムを強制し、自傷しようとする衝動を誘発する運動会の練習に参加させるなどした結果、自傷が激しくなり、失明した」と主張していた。
裁判所は「学校はカリキュラムを変更することで自傷が現れる可能性を低下させる措置を怠った」と認定したが「女性には強い自傷衝動があったので、練習を止めたとしても自傷を防ぐことはできなかった」と判断した。
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自閉症児・者のパニックと自傷行為は、とても扱いが難しいものです。外形的な行動は、待っていればそのうち収まるのですが、その間に自傷が激しいようだと止める必要があります。でもなかなか介入は難しい。下手に止めようとすると余計激しくなりこともあります。
それでもなんとか収まっている、そう思っていられる間はいいのですが、このケースのように、自傷行為が結局、外傷性白内障につながって失明するという事態になると、関係者は無念です。
自閉症児・者のパニック時の自傷行為が、外傷性白内障を引き起こすことがある点は、ようやく最近になって意識されつつあると言っていいでしょう。でも、その対策はまだ明確にはありません。
この判決は、そんな状況の中で、自閉症者のパニック・自傷行為と外傷性白内障についての「安全配慮義務・不法行為」(判決を読んでいませんのでなんともいえませんが、このどちらかを主張しているはずです)について、初めて判断した判決です。
そういう意味では重要な判決なのですが、判例データベースには掲載されていません。そのうち掲載されるのかもしれませんが、されないかもしれません。掲載されないとすれば、その理由もわかるような気がします。法状況が不安定だからです。抽象的に、防止義務を否定しても、肯定しても現場はどうしようもない、そんな状況で法論議は、慎重でありたい、そういう意識がデータベースへの掲載をためらわせる理由かもしれません。
でも報道されてしまった以上は、きちんと理解できるような形でないと、影響を受ける自閉症関係者は困ります。私はなお調査したいと思っています。
自傷行動を伴う強度行動障害対策については、こんなサイトがありました。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/13/1356/nakaya/kenkyuhappyo/6_1_P53_68.pdf
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