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2006/11/29

日弁連の差別禁止法要綱と後見制度

日弁連「障がいを理由とする差別を禁止する法律」要綱(日弁連試案)各種報告・意見交換会が、27日午後2時から5時まで弁護士会館で開かれました。私も参加してきました。もっとも参加できたのは最期の1時間程度でしたが、なかなか有意義であったと思います。

 日弁連の「障がいを理由とする差別を禁止する法律」要綱(日弁連試案)については、下記にアップされています。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/061017_2.html

 私は千葉県の障害者条例の内容を簡単に紹介させていただいたのですが、そのほかに国連の障害者差別禁止条約の話など、興味深い紹介がありました。いろんな質疑があったようですが、私が聞いたところで興味深かったのは、成年後見制度を利用することによって選挙権がなくなるのは憲法違反ではないのか、との発言が弁護士からも障害者団体の中からも出ていた点です。今回の要綱の中に、明文で規定されているわけではないのですが、やはり誰の目にもおかしいと映っているのでしょう。
 選挙権がなくなることを知らずに後見申立てを行った例もないではないでしょうから、その人たちの救済を今後どうするのか大きな課題です。一旦でた後見決定が取り消されることは事実上ありえないでしょうから、公職選挙法の規定が変らないと失われた選挙権が復活することはありえないですが、立法的解決が望まれるところです。

 ところで、後見関係では選挙権の話しがとりわけ目立ちますが、他にも欠格条項が幾つかあります。
・国家公務員法38条1号
「成年被後見人又は被保佐人」に該当する者は、「官職に就く能力を有しない。」
・地方公務員法16条1項
「成年被後見人又は被保佐人」は、「職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。」
・社会福祉法:36条4項1号
「成年被後見人又は被保佐人」に該当する者は、社会福祉法人の役員になることができない。

 民間企業に対して障害者の雇用率の向上を勧め、加えて成年後見制度の利用の促進を謳うのであれば、国や地方公共団体が後見利用者を職場から排除するシステムを維持しているのは、背理のように思えます。また本人活動の一環として社会福祉法人に障害者ご本人の理事を入れようという話しがありますが、これも排除されては成年後見が使いにくいことになります。

 ここらあたりの話しは、関係者は誰でも知っている話ですが、みんなが知っていても、なかなか改革が進まない話です。障害者のためのシステムアドボカシーというのは、それだけ難しいということなのでしょう。

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