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2006/11/11

判決を偽造する弁護士(達)

 弁護士の不祥事ネタは、ニュースになりやすい。このブログでも時折紹介しているが、すべてではない。この種のネタは、あまり気持ちのいいものではないからである。ただ法曹倫理を教えるものとしては、材料を集めている。無視できないものもある。
 昨日今日、流れている標題のニュースは、読んでいてどっかで見た記憶があるなあ、と思っていた。

この弁護士さん、3月に所属の東京弁護士会からこの件で2年間の業務停止の懲戒処分を受け、そのことがマスメディアで報道されていたのである。町村教授も3月にコメントしていた。
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2006/03/news_1aa3.html

今回も新聞が報道している。
http://www.asahi.com/national/update/1110/TKY200611100213.html

判決文偽造の疑い、東京弁護士会所属の弁護士逮捕
2006年11月10日12時27分
 民事訴訟の判決文を偽造したうえ、依頼者に交付したとして、警視庁は、東京弁護士会所属の弁護士石川勝利容疑者(41)=住所不定=を有印公文書偽造・同行使の疑いで逮捕した、と10日発表した。同庁は動機などについて調べる。

 捜査2課の調べでは、石川弁護士は03年5月ごろ、東京都内にあるIT関連会社の未払い賃金問題を巡って女性従業員(39)から訴訟の相談を受けたが放置。04年1月ごろ、新宿区にある知人の法律事務所で、東京地方裁判所民事部に実在する裁判官名で偽造した判決文を手渡すなどした疑い。石川弁護士は容疑を認めている。

 東京地裁に従業員が判決文の交付請求をしたことで、石川弁護士が判決文を偽造したことが発覚。偽造判決文は「会社側は従業員に二百数十万円支払え」との内容だったことから、石川弁護士は発覚を防ぐため、会社に代わって自ら従業員に未払い金を支払っていたという。

 東京弁護士会によると、石川弁護士は94年に弁護士登録。今回の事件の発覚を受けて、06年3月に2年間の業務停止処分にした。

ボツネタを経由して町村教授がやはり、今回の逮捕にコメントを書いている。
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2006/11/news_881e.html
(どうも町村教授は、3月に自分でコメントしていることを忘れているのではないかと思う:苦笑)
岡口裁判官は「住所不定の弁護士」として石川弁護士を紹介しているが、懲戒処分が報道されてからあちこち転々とする生活だったのではないか、と想像している。
 それにしても、懲戒処分の報道が3月で11月になってなんで逮捕したのか。このあたりがよく分からない。事実関係は、3月の報道ととくに変わりがない。警視庁の思惑はなんなのだろう。マスメディアには、このあたりの解説がない。

 念のためにと思って、判決文を偽造する弁護士って他にいたのか、検索してみた。そしたらいたのである。

 北海道で2001年に倒産事件に絡んで偽の判決文を作成し、破産裁判所に提出した弁護士がいることが発覚し、札幌弁護士会長が談話を発表している。(実名である)
http://www.satsuben.or.jp/sogo/03messag/me00113.html

 大阪では、2000年から2004年にかけて破産宣告書や判決文を偽造していた女性弁護士が逮捕され、この人は今年の3月に実刑判決を受けている。
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060329-12798.html →これはもう見れないと思います。なので下をどうぞ。
 http://kansaigodo.blog42.fc2.com/blog-entry-119.html

 判決書の偽造が、犯罪行為であることは当然、この弁護士たちは知っているだろう。しかもそれを裁判所に提出するとは、なにを考えていたのだろうか。犯罪としてもあまりにも幼稚である。法曹倫理の講義で、判決文を偽造してはいけない、などとトンマな講義はできまい。誰かに教えてもらわなくても分かる話である。

 北海道の事件は、詳細が不明だが、東京の逮捕された弁護士と、大阪の実刑判決を受けた弁護士の場合、報道された事実から判断する限り、依頼者との関係の作り方がまずかったのではないか。
「受任を断れない」
「正確な報告ができない」
ここらあたりの積み重ねが、最期に判決文の偽造・自腹を切っての賠償金の支払い偽装までいくのかと想像している。東京の石川弁護士さんは、大政党の顧問弁護士であったということだから、結構、実力のある人だったのかもしれない。
 学ぶとすれば、依頼者関係の作り方であると思う。

ところで警視庁が、なぜ今になって逮捕したのか。想像でしかないが、大阪の弁護士さんの実刑判決をあとになって知ったのではないか?。忙しいのに、こんなことで仕事を増やしたくないよと、石川弁護士の懲戒報道を眺めていたら、大阪では実刑判決がでるような犯罪だったとアトで気が付いた、そんなところではないだろうか。懲戒処分の内容が2年の業務停止で、「比較的軽い」という判断もあったのかも知れない。

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コメント

あ、やっぱりそうでしたか(笑)。書いた本人(町村先生)より読んだ人間(SATOSHO)の方が覚えていたということですね。世の中そんなもんです。ははは。先生のコメントは勉強させてもらいました。非判決なんて、普段よみませんものねえ。

投稿: satosho | 2006/11/11 21:30

お恥ずかしい!
完全に忘れていました。というか、似たような事件があるなぁと思ってしまって。
しかも同じように非判決の例に使えると、間抜けな二度コメント。

投稿: 町村 | 2006/11/11 19:00

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