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2007/02/05

入所施設の法人後見 2

 先に費用問題の点から法人後見と個人後見を比較しましたが、後見業務の継続性を少し考えてみます。それとの関係でケアの独占についても考えたいと思います。

 法人後見といえども、業務を行うのは生身の人間でしかありえません。生身の人間ではない法人そのものが、個別障害者の後見判断ができるわけではな いのですから、「目の前の障害者」への個性的な支援という目標を維持する限り、障害者ひとりひとりに対応する形で、法人内に担当者をおくべきです。

 障害者Aさんの後見人が後見法人Xであったとしても、その法人の中でA さんの担当者X(A)が個別化されていなければいけません。実際の法人後見もそのような運営が行われていると聞いたことがあります。そうすると職員には、 転勤や病気や死亡が当然にありうるわけですから、その意味での継続性の問題は、個人後見とまったく変りません。

 もっとも担当者の交代のときに、後見人自体の交代のような裁判所の手続きは不 要だという点は、個人後見よりも手軽です。また、法人内の複数のスタッフが、各自の経験を共有し、より専門性の高い後見業務を実施することができる、ということ もあるかもしれません。あるいは複数担当者を付けやすいということもあるでしょう。しかし、これらのことは複数後見や個人後見を支援するバックアップ法人・組織がしっかり していれば、やはり同じようにクリアーできます。

 ちなみに個人が単体で、孤立して後見業務を行うのは、後見人にとっても被後見人にとってもデメリットばか りが目立つと思っています。ケアの分有という考えがありますが、これは孤立したケアを否定します。孤立した単独ケアは、ケアの質に重大な問題を生じさせるからです。

 後見業務が孤立して(単独で)行われることにと、それが専門家であれ家族後見人であれ、ときおり問題を起こしている例は、このブログでも幾つか紹介しています。これは就任している後見人本人の資質の問題もさることながら、そうした問題ある後見業務に周りの誰も気がつかない、公的・私的な環境にむしろ問題があるというべきだと考えています。このことは、実は法人後見の場合も同じではないでしょうか。法人後見はまだ実施例が少なく、法人が単独で後見業務を握った場合にどのような事態となるのか、まだ問題となった実例がないのでしょうが、後見事例を視野を広げて、ケアの法人独占としてみると、それは現実にあります。入所施設がそうです。そこで生じた問題点をわかりやすく示したものが、札幌育成園の事件です。このことは前にこのブログで紹介しています。

http://www.satosho.org/satosholog/2006/12/post_6ba0.html

(続く)

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