医療観察法1年半
日弁連の機関誌である自由と正義は今年の4月号で標記の特集を組んでいます。2007年4月号72p以下「医療観察法施行から1年半と日弁連」
ちょっと前に施行から1年と題する特集があったのですが、1年半でまた特集を組むのが私にはちょっと「?」なところがありました。それだけ緊急性を関係者の方が感じておられるということなのでしょう。それはそうです。
施行1年の状況を紹介した当ブログの記事は、こちらです。
冒頭の伊賀弁護士さんの論稿では、1年半の事件概要が記載されています。
申立件数 468件
内訳 入院決定
42条1項1号 223件(55.9%)
入院によらない医療決定
1項2号 94件(23,5%)
不処遇決定
42条1項3号 70件(17.5%)
却下決定
法40条1項、42条2項 12件 (3%)
入院によらない医療決定とは、要するに「通院決定」ですね。法律用語は難しい。
とまれ、同誌に以下掲載されている6本の論文は、とても興味深いものばかりなのですが、私は次の文章が目を引きました。
「対象行為には、対象者の近親者や保護者に対する他害行為も多く、付添人の重要任務である社会復帰先の確保に大変苦慮する場合が多い。特に同居の保護者
となっていた親兄弟に手をかけてしまった場合などは、事実上、帰る場所を失うことも多く、入院やむなしとの結論に至る場合もある。本法の目的は、対象者の
社会復帰を国家が保証する点にあるが、この国の障害者福祉が多分に肉親の負担と犠牲の上に成り立っているという現実を変えぬ限り、本法の目的が達成される
ことはない」内嶋順一弁護士「横浜弁護士会における医療観察付添人活動」同誌86p
障害者の触法事件は、①健常者のそれと比べて比率的に少ないこと、②被害者が家族であることが多いこと、この2点は前から言われていることです。
(もっとも実証的なデータを私は持っていないのが残念です。)
前に残余型福祉がこの国の特徴と述べたことがありますが、やはりこれを乗り越えたいですねえ。どんな戦略があるんだろう。
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