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2007/06/28

自傷で失明、元生徒側が逆転勝訴

精神科医のAFCPさんに教えていただきました。京都府の向ヶ丘養護学校の事件です。地裁は生徒側の1億円を超える損害賠償請求を棄却する判決を昨年の1月に出していましたが、大阪高裁は、今月(2007年6月21日)に6200万円の支払いを命じる逆転判決を出したようです。


高裁判決についてのAFCPさんのコメントは下記です。
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C174902512/E20070622082154/index.html

地裁判決を紹介した私の過去記事は、下記です。
http://www.satosho.org/satosholog/2005/04/post_4946_2.html

追記:コメント欄にも掲載していますし、トラックバックもあるのですが、MOMOさんがご自身のブログでコメントを書いておられます。

http://diary.jp.aol.com/bfkxuuhuqg4n/604.html

地裁判決については、いまだに判例集などには掲載されていません。
高裁判決も、いまのところ新聞記事だけで、判例データベースには見当たりません。

高裁判決を知らせる記事です
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200706210083.html
2007年06月21日

 京都府長岡京市の府立向日が丘養護学校に通っていた同市の元女子生徒(24)が自傷行為で失明したのは学校に責任があるとして、元生徒と両親が府に約1 億1300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、大阪高裁であった。渡辺安一裁判長は請求を棄却した一審・京都地裁判決を変更し、府に約 6200万円の支払いを命じる逆転判決を言い渡した。

 渡辺裁判長は運動会練習やランニングなどが元生徒の大きなストレスになったと指摘。休み中は自傷行為が落ち着いていたことなどから「不適切なカリキュラムへの参加を強制し、目への激しい自傷行為を誘発した」と因果関係を認めた。

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コメント

自閉症の方が外傷性白内障に罹患するのは、長期間に渡る自傷行為が原因だと思います。パニックになったときに自分のほっぺたを両手でたたく人がいますが、あれです。あれを長期間続けると、眼球に影響を与えるようです。
白内障になるということが分かったのは、それほど昔ではありません。しかも、対応策はほとんどありません。パニックにならないようにするということぐらいでしょうか。
 白内障になったことがわかっても、眼球の取替えのあとの処置(じっとしていること)が難しく、治療は困難なようです。
 次のようなサイトをみると、関係者が苦労している様子を伺い知ることができます。
他にもあるかもしれませんね。CFさん、もちお気づきの点があれば、教えていただけませんか。http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/13/1356/nakaya/kenkyuhappyo.htm

裁判でこんなことへの対応策でも検討されるのであれば、裁判もいいのですが、勝っても負けても、どうすればいいのか、この点がまったく不明です。

投稿: satosho | 2007/07/05 23:19

えっ 白内障で失明?
白内障も ただレンズを取り替えれば済むという話ではないわけですが、どうして白内障で失明になったのでしょうか。
「外傷性」白内障というところに、何か手術の困難があったせいなのでしょうか。それとも「自閉症」ということで、自分の症状が訴えられなくて、発見が遅れたなどの事情がかぶってくるのでしょうか。
外傷性白内障から失明に至らせないために、周りが何かできることがあるのか?
そういう観点からの報告が欲しい所ですね。

投稿: CF | 2007/07/05 12:20

MOMOさん、コメントありがとうございます。パニックによる自傷行為について安全配慮義務を理由に勝訴判決がでても、敗訴判決がでてもどちらもゲンナリするのです。勝訴してみても自傷行為に対する有効な対策が判決で提案されるわけでないでしょうし、かといって敗訴してしまうと、何もケアしなくてよいのだ、なんて誤解する現場の人がでてきそうですしね。
 裁判は、有効な解決手段たりえないです。
ちなみに、対話型医療ADRについては、最近の法学セミナーで特集が組まれていまして、私も少し書いています。
http://www.nippyo.co.jp/maga_housemi/hg0707.htm

投稿: satosho | 2007/07/01 20:47

トラバ返しありがとうございました。ご指摘のとおり、対話型医療ADRの福祉版・教育版の必要性を感じさせる判決です。いずれも、プロに身を委ねるしかなく、信頼関係がなければ成り立たない世界であり、また、プロにも「完璧な対応」を期待しがたい領域でもありますからね。

投稿: MOMO | 2007/06/30 21:59

この記事にMOMOさんが解説を書かれています。
http://diary.jp.aol.com/bfkxuuhuqg4n/604.html
MOMOさんのご意見にわたしも同感しています。こういうものを訴訟で解決すること/訴訟しかないことに、どうしようもない残念な思いを抱いています。医療の世界では対話型医療ADRが動き出そうとしていますが、福祉の世界でもできないものかと思いますが、まずは判決を読んでみたいと思っています。
それからMOMOさんの情報によれば、京都府も原告側もともに上告をしないようですので、この高裁判決が確定します。

投稿: satosho | 2007/06/29 17:09

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自閉症の生徒が自傷行為で失明したことは、「不適切なカリキュラムへの参加」 の強要に原因がある、として、学校側の責任を認めた判決が出されました。 自傷で失明、学校でのストレスが原因 元生徒が逆転勝訴                                2007年06月21日 朝日新聞  京都府長岡京市の府立向日が丘養護学校に通っていた同市の元女子生徒(24) が自傷行為で失明したのは学校に責任があるとして、元生徒と両親が府に約1億 1300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、... [続きを読む]

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