信託業法の改正2
前回、信託業法の改正案を紹介したが、それに対する信託協会の見解をまずみてみよう。
次のサイトに公表されている。
http://www.shintaku-kyokai.or.jp/html/kyoukai/b04youbou/pdf/190502PC_1.pdf
その冒頭に次のような記述がある。
1.(確認)信託業法第2 条、第50 条の2 関連
信託業法施行令案第1 条の2、第15 条の3 第5 号ないし第8 号の規定は、他の者への支払いに充てる金銭を支払うまでの一定の期間、管理・保全する目的で行われる金銭の預託を信託業の適用除外及び自己信託の登録の適 用除外としたものであって、このような目的・趣旨を越えた金銭の預託(例えば預託を受けた金銭を長期間、株式投資などにより運用する場合)を信託業の適用 除外及び自己信託の登録の適用除外とする趣旨ではないという理解でよいか。
ここに引用されている業法の第2条は、前回紹介した。業法50条の2は、新信託法で導入された自己信託(信託法3条3項)に関わる業法の改正案である。
ここでも政令に委ねれているので、施行令第15条がそれを受けている。受益者が50名以上の自己信託の場合は、内閣総理大臣への登録が必要になるが、「受
益者の保護のために支障がないと認められる場合として政令で定めた場合には、登録は不要となる。施行令15条の3の第5号ないし8号はその規定の一部でらる。
信託業法施行令
第十五条の三
法第五十条の二第一項ただし書に規定する政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。一から三は省略する(SATOSHO)
四特定金銭債権(債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)第二条第一項に規定する特定金銭債権をいう。)の管理又は回収を行う者が これらの行為に付随して管理する金銭その他これに類する財産(以下「金銭等」という。)を信託財産として信託法第三条第三号に掲げる方法によって信託をす る場合
五弁護士又は弁護士法人がその行う弁護士業務に付随して管理する金銭等その他の委任契約における受任者がその行う委任事務に付随して管理する金銭等を信託財産として信託法第三条第三号に掲げる方法によって信託をする場合(前号に掲げる場合を除く。)
六請負契約における請負人がその行う仕事に付随して管理する金銭等を信託財産として信託法第三条第三号に掲げる方法によって信託をする場合
七他の者に代わり金銭の収受を行う者が当該金銭の収受に付随して管理する金銭等を信託財産として信託法第三条第三号に掲げる方法によって信託をする場合(前三号に掲げる場合を除く。)
八前各号に掲げる場合に準ずるものとして内閣府令で定める場合
ここでも8号で内閣府令にさらに定義を委任している(こういうのを立法再委任とでも言うのであろうか、いずれにしてもややこしい)。
内閣府令を参照するこ
とが、私には今の段階でできていないので、これも詳細は分からないが、((07/08/27 Monの段階で確認したところ内閣府令である信託業法施行規則はすでに成立しているが、施行令一条の2第3項に該当する規定、15条の3第8号に対応する規則は存在しない)。信託協会の意見書もそこまでは、念頭においていない。ただ単ににそれらの規定は、「他の者への支払いに充てる金銭を支払うまでの一定の期間、管理・保全する目的で行われる金銭の預託を信託業の適用除外及び自己信託の
登録の適用除外とした」のかと聞いているわけである。金融庁のパブリックコメントは、「そのとうりである」と回答している。
この信託協会の意見の含意は、その範囲であれば反対はしない。しかし、金銭投資信託のようなものまで業法の適用 除外にするのであれば反対するぞ、とこういう意見になっているように見受けられる。
金銭投資信託を業法の規制対象からはずすことはおそらくないだろうし、規制からはずべきだという意見も知らない。弁護士会は今回の改正案に反対し、弁護 士会の提案を行っているが、金銭投資信託を規制からはずせとういう意見ではもちろんない。上の信託協会の意見でいうところの「金銭の管理・保全目的」の信 託では狭いという意見である。これは、また続けよう。
| 固定リンク
|
「法と弁護士」カテゴリの記事
- リーガル・クリニック(2010.07.26)
- 権利能力なき社団に対する強制執行(朝鮮総連ビル事件)(2010.07.03)
- 弁護士バー(2010.05.22)
- ネットと法律家(2010.05.19)
- 弁護士は楽観的(アメリカの場合)(2010.05.13)
「障害者後見」カテゴリの記事
- 茨城の成年後見とブルーベリー(2010.07.18)
- AAPEPと選挙(2010.07.09)
- 京阪奈丘陵 法と倫理のコラボ(2010.06.18)
- 知的障害者が後見人に就任して横領、他(2010.02.08)
- 最高裁の後見概況(2010.02.01)


コメント
(07/08/27 Mon)関連法規の公布状況を確認しまいたので、それにともない記述を改めています。
投稿: satosho | 2007/08/27 16:18