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2007/09/06

理想の弁護士はいない。。でも

; すこし前になるが法曹倫理の授業の中で「理想の弁護士」と「サイテーの弁護士」を学生に挙げてもらったことがある。約70名の学生の回答があり、「理想」「サイテー」いずれも該当者なしが圧倒的な回答だった(95%)。
 

 そうか、いまの学生は、理想も手本もないのか、といささか悲しい思いを抱きつつ、しかしそんなものかもしれないと思っていた。
 ところが、その中で、4名ほどの学生が光市母子殺害事件の担当弁護士を「サイテー」に挙げていた。なぜだろうと不思議に思ったが、当時、橋下弁護士の呼びかけに応じて、組織的懲戒申立のサイトがすでに出来ており、各地の単位弁護士会への懲戒 申立てが始まっていた、ということをあとになって知った。へーー、こんなこともあるのか、とごくごく単純に驚いたものである。

 ちなみに毎日新聞の記事によると、光市事件の関連での懲戒申立総数は現在のところ3900件を超えているらしい。これは昨年の全懲戒申立総数の3倍になるようだ。驚くべき数字と言える。

 そして今度は、光市事件弁護団の中の4人の弁護士が、今回、橋下弁護士を相手に業務妨害を理由とする損害賠償の提訴を行ったという。
「TVで業務妨害」橋下弁護士を提訴 光市事件弁護人」

 今回の懲戒申立自体については、法律家の中では反対する人や、冷ややかな評価がおおい。

小倉弁護士のサイト


元検事のつぶやき
 
ちなみに町村教授は、今回の提訴を橋下弁護士と同じレベルになってしまった泥仕合と評価されている。
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2007/09/news_5f93.html

 法律家の中の評価は、私も共感できる。このような懲戒申立運動が、刑事被告人の弁護を受ける権利の侵害になるという理由もそうだろうなと思う。
 でも、そうであるだけに、なぜ日弁連は公式見解を表明しないのか、それが不思議である。現在までに脅迫行為については、見解を表明している。しかし懲戒申立についても懲戒委員会が公式見解を発表するぐらいの姿勢があってもよい(あったほうがよい)と思うのであるがどうであろうか。

 つぎつぎと(あおられたとはいえ)、興味本位で申立行為が行われ、申立人も、それをあおっている人々も懲戒行為についてよく理解しないまま申立を行って いる可能性がある。しかも、一般には共感を得にくい極悪重大犯罪の刑事弁護が非難の対象となっているのである。だとすれば、日弁連としても黙殺するのではな くて、非法律家に理解できるように、これが弁護士の活動だと堂々と説明を行うべきではないかと思う。この説明が欠けたまま、興味本位のやりとりだけが続く のは、日本の法化を進展させるというスタンスをとっている日弁連として、いささかもったいないのではないかと思う。

日弁連会長声明(脅迫行為)
http://w3.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/070711.html

これはどなたかしらないが、落ち着いた論調である。ブログタイトルからすると認知心理学の専門家の方なのだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/NAL111/20070703

http://d.hatena.ne.jp/NAL111/20070704

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