銀行の査定資料と文書提出命令
判例の報道は、やはり新聞が一番早い。今日の朝日に掲載されていのが標記の記事である。
銀行の「査定資料」、外部も利用可 最高裁が初判断 朝日新聞 2007年12月04日
銀行が融資先の経営状況を把握し、債務者区分の決定などをする目的で作成した「自己査定資料」 の性格について、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は3日までに、「専ら銀行が利用するための文書」には当たらないとの初判断を示した。民事訴訟で銀行と 争う当事者がこの資料の提出命令を出すよう裁判所に求めた際に、銀行側が「内部文書」だと反論できなくするもので、他の訴訟にも影響がありそうだ。
取引先の債権を回収できなくなった会社が、この取引先を「全面支援する」と説明したとされる八十二銀行に損害賠償を求めた訴訟の中で査定資料の提出が求められたようである。
第二小法廷は、銀行は金融庁の検査マニュアルに基づいて保有する債権を自己査定する必要があり、自己査定資料は銀行以外の者による利用が予定されているとの考えを示した。
稟議書の提出義務を否定した最高裁H11.11.12決定(民集53巻8号1787頁・百選79事件)から時を経ること8年あまり、主だったものだけでも次の最高裁判例が出ている。
最高裁平成12.12.14決定(民集54巻9号2709頁) 木津信金事件(稟議書・命令)
最高裁平成13.12.7決定(民集55巻7号1411頁) 八王子信金事件(稟議書・否定)
最高裁平成18.2.17決定(民集60巻2号496頁) 横浜銀行事件(社内通達文書・命令)
今回のものは、この報道によれば、平成11年決定の原審である東京高裁H10.11.24決定に似ているのか(行政当局の監査の際に提出を予定しているので内部にあたらないとする)。「全面支援する」と説明した個別特殊事情が響いているのか。これは新聞報道だけでは分からない。
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