認知症受刑者?
まだお屠蘇気分が抜けていないのであるが、標記のようなニュースが目に入った。刑務所に収容された認知症の受刑者を医療刑務所へ移動しようとしたところ医療刑務所側が治癒の見込みがない、という理由で受け入れを拒否したというニュースである。
まずはこの報道を伝えた毎日新聞の記事(2008年1月5日)を抜粋しよう。
<認知症受刑者>高齢化で激増 医療刑務所は受け入れ拒否
福岡刑務所(福岡県宇美町)が、所内で労役に服す「懲役」ができない認知症の高齢受刑者について、精神疾患がある受刑者を収容する北九州医療刑務所(北 九州市)に受け入れを打診したところ、拒否されたことが4日分かった。理由は「認知症は治癒の見込みがない」。高齢受刑者は増加傾向にあり、矯正を目的と する現行制度下で、介護機能のない刑務所での認知症受刑者の処遇が問題点として浮上した。
福岡刑務所にいる認知症の受刑者は二人らしい。そのうちの一人は次のような状態だという。
70歳代の1人は身寄りがなく06年に窃盗罪で有罪となり入所。出所3日後に福岡市内で再び窃盗容疑で逮捕され、再収監された。この受刑者は窃盗をしたことも覚えておらず、係官との会話も成立しない。医師は認知症と診断し、3畳の独居房で生活している。
同刑務所の係官は「社会で行き場を失った高齢者が何度も刑務所に来る。高齢化に伴い認知症の受刑者のさらなる増加も予想され、介護機能のない刑務所での今後の対応が課題となる」と話しているそうだ。
法務省は厚労省と共同で、こうした受刑者に対する具体的な施策なども検討する方針だそうだ。刑務官の苦労や受刑者の生活を考えると当然だろう。
だが、最大の問題点は、なぜこうした人たちが刑務所にいるのかということである。どんな刑事裁判を受けてきたのだろうか。当然、検察官の訴追があり、弁
護人もいたはずであるし、裁判官も法廷で本人を見ているはずである。いったいこの法律家たちは、法廷で何を見て、何を聞いていたのだろうか。
と書いていて、お屠蘇気分が吹っ飛んでしまった。
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