成年後見の番組を見ました
クローズアップ現代「老後の財産を奪われた手口」5月22日午後7時半から30分もの(NHK)。MLで案内が流れていたので、ビデオに録画して昨日の夜に見ました。録画の画質が変だなあと思っていたが、24日土曜日午後3時25分からからNHK総合で再放送をするようだ。
番組の内容は、後見人による高齢者の財産侵奪事例が増えていることを紹介するもの。従来、成年後見制度は、高齢者を財産侵奪から「守る」制度であることのみを説明して、「使えばこれこれのメリットがある、使う必要」があるという説明ばかりが横行し、負の側面、つまりデメリットや副作用をあまり説明しない人が
多かった。これは法律家を主とする関係者が意識的か無意識的に説明をさけていたところかと思うが、今日の番組は、ようやくそこが一歩進んだのかなあと思う。成年
後見は、権利擁護と権利侵害の両方の手段になりうることが自覚されつつあるのかと思う。これは結構なことだ。
少し具体的に番組内容を紹介すると、任意後見契約を使った財産侵奪の実態をリフォーム詐欺の事例を紹介しながら解説し、同時に、法定後見についても、昨年、成年後見人(法定後見)を解任された後見人が207人いるという数字を紹介
して、後見人自体による財産侵奪の実像を紹介しようとしている。そして信頼される後見人養成として、世田谷区の市民後見人養成講座の取り組みを紹介し、社
協が後見監督人になることで信頼されるシステムを作る取り組みが始まっていることを視聴者に紹介する。世田谷では、講座に応募した人の履歴審査を行い10
人に一人しか講座を受講できないらしい。
以下、感想。
① 任意後見契約による財産侵奪と法定後見人による財産侵奪を、まったく同列で解説しているのであるが、後見人(任意後見人予定者も含む)による財産侵
奪が増えていることを強調したい意図はよくわかるが、後見制度の欠陥の構造を正確に知るという点では誤解を招く構成であるように思う。任意後見契約の問題
は、発効前には裁判所を含めて誰も監督できないことにある。ところが、法定後見の解任は、裁判所の監督が機能しているということである。任意後見と法定後
見の双方での財産侵奪は、問題の所在が実は違うのである。これは番組の中ではまったく触れていなかった。
② 法定後見人の解任が昨年に207人もいるというのは正直、驚いた。こういう統計データが最高裁のページに乗らないところが日本の統計の面白いところである。
③ 番組のタイトルからしてそうであるが、視野が財産管理に固定されすぎである。これは、報道側の責任ではなくて、この報道に関わった「専門家」が、そうした視野しか持ち合わせていないことを物語っている。207人の解任事例の中身の紹介がなかったが、そのほとんどが財産流用だと解説している。そうだと思う。
裁判所自体に身上監護、いやもっとひろく本人の生活全体を見守るという視野が乏しい(裁判所の人的・財政的なパワーの点で難しいと思う)。これは、専門家全体にいえることかと思う。
④ 身上監護の点からみるといわゆる専門家後見人による権利侵害事例があると思うのであるが、これは、番組の視野からまったく欠落し、「専門家が関われば後見は大丈夫だけど、専門家の人数には限りがあるので、市民後見人を養成することが急務である」という処方箋が導きだされ、「市民後見人は専門家より質が落ちるので、慎重にかつ厳格に養成・監督する必要がある」という感じの作りになっている。
私は、こうした論調をまったく否定するつもりはない。しかし、いわゆる専門家後見人が福祉の分野では素人でしかないことには、まったく想いが至らない点
は問題だと思う。後見人に選任されて7年になるのに、福祉の知識がないとの理由で財産管理に専念し、被後見人本人に一度も面会しない専門家後見人が存在す
ることなど、想像のほかなのであろう。
⑤ 上記の視野狭窄に加えて、後見の問題は高齢者の問題であるとの位置づけだけで議論する点も、視野狭窄である。もっとも今日の番組、そんなことは知ったうえで高齢者に問題を絞っているんかも知れない。しかし、そうであれば、障害者の後見問題には高齢者にはない違った側面があることを視聴者に伝える場所が必要である。この国の後見制度の正確な姿をこの国の人々に可能な限り正確に伝えるためにである。
私は、後見支援やいわゆる権利擁護活動に年がら年中携わっている現場の「ある」実践者から、「法律家はもっとホントのことを語ってほしい」といわれたことが
ある。このコトバの矛先は私ではなかったので、それほどびっくりもしなかったし、同感だなあとの想いを強めたのであるが、彼の目には法律家による成年後見
のお話は、「一段高いところ」から「無知な市民」を利用に向けて煽り・扇動するだけのコトバにしか映っていなかった。そうした人々に納得してもらい、成年後
見の実相を踏まえたうえで、必要な人に必要な支援を後見問題領域で実践するためには、今日のこの番組は、まだまだスタートラインに立っていないと感じる。
という私のこの書きようも、「一段高いところ」からの書きようであるように思う。私はPACガーディアンズの仲間たちとのこの数年の間の活動をともにするなかで、① 多くの人が関われる・関わる後見制度利用が、これからの後見制度のあり方だと思っている。② しかも生活支援と連携できる後見支援を狙うこと、③ 専門家をうまく使うための(私は専門家の存在は重要だと考えているが、後見人に専門家が就任する必要は必ずしもないと考えている)支援法人の設置、④ご本人の能力にあった適切な制度利用・環境構築を行う。この四つが重要だと考えている。
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コメント
私の叔母がアルツハマーで法定後見人を立てています。裁判所に登録されているいわゆる専門家(司法書士や弁護士)から選んだ人物です。
最初の司法書士は上記にあるとおり、就任する前は後見制度の良い点のみ述べて、天使のような笑みを浮かべホテルマンのような至れり尽くせりのサービスをうたい、いざ任命されたが最後一度も被後見人の面会にも来ず、「自分の財産」のようにわが物のふるまいをし、「報告義務がない」と親族の質問に一切答えず、年に一回裁判所に報告して終わりです。裁判所がその書類を吟味しているか大いに疑問です。そもそも裁判所以外に報告義務がないというのが法律の不備だと思います。またその次になった女弁護士は、親族に了解を得ず土地財産を処分しようとしたり、こういう専門家弁護士たちは「一段高いところにたって、何も知らない無知の民衆の資産を横領」どころか、ボケ老人の資産を私する・・・・・それを合法的にというところが金のバッチを付けたやくざで、それに一躍かっている裁判所にも大きな問題があると思います。裁判所は被後見人の利益を考慮しているなどっても思えません。裁判所も専門家後見人も対象はボケ老人の「財産」であってボケ老人当人ではありません。たぶんボケ老人に資産が無かったら相手にしないでしょう、それが証拠です。
投稿: うび | 2009/02/15 14:54
私も母の後見人ですが裁判所の職員のいい加減な仕事に不満あり最近後見等監督処分事件という事で呼び出された者ですが、この3千万事件に関して妹悪いのは当たり前ですが、チェク出来なかった書記官・調査官
又審判下す判事にも責任無いのか疑問です、単年で3千万横領なら仕方ないと思いますが、複数年であれば
チェク出来なかった職務怠慢も問題すべきと思います
この書き込みで裁判所より事務連絡有った場合内容を書き込み連絡致します。
投稿: 高橋哲夫 | 2008/08/27 22:35