法科大学院の受験者動向(続)
昨日の記事をアップしたあとに次の記事を発見した。分量があるので追記ではなく続報としてアップします。
法科大学院入学者に占める社会人割合の記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080519-OYT1T00751.htm
法科大学院入学者、社会人割合は29・8%…4年連続減少
文部科学省は19日、全国74の法科大学院の今年度入試の実施状況を発表した。
全入学者に占める社会人の割合は29・8%で、法科大学院が開設された2004年度以降、4年連続で前年を下回った。
同省によると、今年度の志願倍率は6・8倍(前年度7・8倍)。入学者数は5397人で、うち社会人は1609人だった。法科大学院は多様な人材の育成 を理念に掲げているが、社会人の割合は04年度の48・4%から、05年度は37・7%に低下し、06年度は33・3%、昨年度は32・1%だった。
やっぱり社会人は減っているのですね。
そんな中で、文部科学省は、教育改善に向けた検討をはじめるそうです。
法科大学院教育の改善に向けた文部科学省の動き(3月29日)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080329AT1G2802S28032008.html
法科大学院の入試や教育内容改善へ・中教審、専門チーム発足
中央教育審議会は法科大学院の教育の質を向上させるため、専門のワーキングチームを発足させることを決めた。入試から修了認定まで全般にわたって改善策 を審議、実態を把握するための調査も実施する。法科大学院を巡っては、今年度の認証評価で計5校が“落第”したほか、過度な司法試験対策に走りがちとの指 摘も多い。中教審は専門チームでの議論を通じて問題点の解消を目指したい考えだ。
他方:鳩山法務大臣は、年3000人目標の見直しを年初に表明し、今年の3月までに研究会を設置すると報道されていた。設置されたのかどうかは確認できていないが、単位弁護士会レベルでの見直し決議は、いくつか報道されている。
法科大学院設置のときから、文部科学省と法務省の動きは、ちぐはぐだったが、ここへきてもやはりチグハグですねえ。弁護士会の動きもよくわからない。「船頭
多くして舟、山に登る」状態です。「司法試験の合格者は増やさない、受験勉強はさせない、さあ法科大学院へおいでください」と謳っても、あんまり説得力
が社会にあるとは思えない。志願者が減るのは当然だと思います。法科大学院側が採算を度外視して定員削減に取り組んでいるのも、現状でできうるほとんど唯一の対応のように思います。
私は「法律家」だけが「法」を動かすわけではないと考えているので、今のこの混乱にそれほど動揺していません。混乱を解消する知恵があるわけではないのですが、一般の方々も同じ感覚なのではないかと想像
している。職場は法科大学院ですが、受験指導はできないし、するつもりもない人間なので、この点では(でも?)カヤの外です。リーガルクリニックをはじ
めとする臨床法学教育の維持・展開が法科大学院教育では大切だと考えていますが、もともと法学部教師の時代から試みていたことです。
法科大学院に関係しない法曹である司法書士さんが、当初、法曹人口増大で職種自体がなくなるのではないかと心配されていたが、意外に元気なことが心強い。司法書士さんは、司法試験とは関係がないし、
登記業務がなくなるということもどうもなさそうだし、成年後見だ、生活保護だ、法教育だと業務開拓にも熱心だ。弁護士さんが、これらの領域に積極的に関与しているとも思えない。成年後見も財産管理だけという弁護士が多い(社会福祉士の資格を併せ持つ弁護士が増えつつあるが、まだまだ少数派である)。
もっともこれは、わたしの周りにいらっしゃる方
々だけをみての感想である。司法書士会も平均年齢がずいぶん高いらしいが、懇意にしていただいている司法書士さんは、私と同年代か年下の方が多い。60歳
以上の司法書士さんになるとどうなんだろう。
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