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2008/06/06

裁判官の訴追請求が増えている 裁判官の不祥事3

 宇都宮の裁判官やトーマス・ヒルの話を書いていて、インターネットを調べていたら、裁判官の訴追の話に検索サイトが飛んでいく。日ごろこんなデータは見ないし、気がつかない話である。あれこれ見ていたら、最近、訴追請求が増えているそうだ。年間600件ぐらいらしい。驚いた。
http://www.chugoku-np.co.jp/jiryu/011116.html


 これがいかに多いかというと日本の裁判官は、全部で3400人ぐらいしかいないから、 単純計算をすれば6人に一人は一年に一度、訴追請求を受けていることになる。
裁判所の職員数については、こちらの過去記事をご覧ください。

 この数値を単純計算で評価しては、あまりに単純すぎる。そうではあるが、弁護士懲戒だけが耳目を引くマスメディアの中にあって、訴追請求が増えているこ とも同様に関心がもたれてよい。裁判官は弁護士に比べて信頼感が高いというアンケート結果がでているが、これは裁判利用の有無に関わらないアンケートであ る。しかし、訴追請求は、裁判利用者によるものなのである。裁判を利用した人々の不満が(その不満に根拠があるかどうは、まったく別問題であるが)、増え ている一つの資料であろう。

裁判官訴追委員会の統計
http://www.sotsui.go.jp/data/index3.html

 この訴追委員会の統計数字を見ていると、アレ?と思うことがある。平成19年度の訴追受理件数は、621件。昭和23年から平成19年までの総受理件数が13,005件となっている。
 ところが昭和23年から平成19年までの、訴追請求人の覧では、訴追請求をした国民の数が、同じ時期の総数で890,957人となっている。総受理件数の70倍弱である。この数字はいったいなんだろう。と思って検索サイトを調べたら、これも記録が出てきた。

道下徹裁判官訴追事件
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/55/rn1985-293.html

 なんと60万人の労働組合員が訴追請求をしたそうである。不覚にも知らなかった。光市殺人事件弁護団の懲戒申立が7000件を超え、橋下弁護士(大阪府知事)に対する懲戒請求も数百人規模ででていることがマスコミを賑わしたが、人的規模は、それをはるかに凌駕する訴追請求である。
 ちなみに道下裁判官といえば、いまは当たり前になっている個人破産の同時廃止手続を大阪ではじめて本格的に導入し、第一次サラ金問題の解消に大きな力を発揮した人である。

  訴追委員会の訴追受理件数の統計には注意書きが書いてある。
「なお、団体の構成員等が共通の意思で複数の訴追請求状を出しているとき等は、まとめて1件として数える。」 60万件が1件にカウントされているのだろう。ほかにもこの種の集団的・組織的訴追請求があるのかもしれない。


訴追請求が認められると弾劾裁判になりますが、
弾劾裁判所のサイトは下記
http://www.dangai.go.jp/index.html
http://www.dangai.go.jp/lib/index.html

裁判官の不祥事についての過去の事例を紹介するサイト
http://f26.aaa.livedoor.jp/~nanase/hitori/ht020.htm

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