自立支援法訴訟、訴えの利益の途中消滅?
長妻厚労大臣が、自立支援法を廃止すると明言してからなにかと騒がしいのが、同法を巡って提起されている各地の訴訟。
国側が、「主張」を3ヶ月ほど留保してほしいという申入れをしたという報道が流れ、これをもって、「和解」の申し入れだと解説してみたり、「前面的に争う姿勢を転換した」と分析する報道が、ここ数日流れている。
法科大学院を巡る報道や成年後見についての報道もそうであるが、マスメディアの報道は、よく分からない話が多い。
まず、いまの段階で、「和解の申し入れ」などということはあり得ないことである。急な政変による担当大臣の変更で、あちこ
ちが動揺していることは事実であろうが、国の代理人たるもの、国の関係機関の意向を確かめつつ訴訟の進行を裁判所に伝えていく職責があり、担当大臣が替わったからといって和解を一存で申し入れるということはあり得ない。
たしかに、大臣が替わって、しかも、いままでと違うことを言っているのだし、その言っている内容は原告団と共通するのであるから、後ろから鉄砲を撃たれそうで嫌だなあ、とは国側代理人として思っているとは思う。しかし
それはそれだけのことであって、和解を申し入れるにはそれなりの機関決定が必要だろう。この報道は、大臣が
変わって変化を望むマスコミの勇み足報道ではないか。
実際は、この訴訟でなにが起きているのか。政治が司法のテンポより早く進んだので、原告代理人弁護士(団)も国側代理人も予想できない事態となり、双方ともなにをどうしていいのかわからない、というのが本音ではないか。
そこで、とりあえず3ヶ月手続きをストップしてくれ、これが国側代理人の裁判所での主張であって、姿勢を変えたとか和解を狙っているとかいうのはまったく根拠のない憶測のように思う。
では、これからどうなるか。人の推測を批判して、自ら推測を述べるのはおこがましい話であるが、これから自立支援法が廃案になるだろうということを前提に
すれば、ある程度の訴訟手続き上の推測はつく。
すなわち、原告側は、自立支援法が違憲であると主張しているわけであるが、その法律自体が存在しないのであ
るから、議論する意味がない、そういうことに近い将来なりそうである。民事訴訟法上は、これを訴えの利益の途中消滅というが、そういう事態が近々生じそうな予感がする。
そういう予測からすると3ヶ月という期間設定も頷ける。国会の審議日程などなど勘案すれば、その間に廃案になって新立法(総合福祉サービス法?)が
制定されているのではないか、というものである。
そこで新しい制度について違憲かそうでないか、という話をするのであれば実益があるが、すでに過去のものになった自立支援法について違憲うんぬんを議論しても仕方ないので、原告の提訴は全国一律に却下せよ、こういう主張が年末から来年初頭に国側からでそうな予感がする。
そうなったときに原告弁護団はどうするのか。私は占い師ではないので、上記の話も含めてまったく断言できない。また、上記予測が外れた場合は、謝るしかない。ごめん(いまから謝ってどうする?)。
追記(09/09/25 Fri) 上記文章には、追加が必要だと思いますが、それは明日にします。
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