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2010/04/06

銀行の代筆

このあいだある会合で、こんなことが話題になった。
 視覚障害のある方が銀行で振込みや払戻しを依頼するときにATMは、なかなか使えない。そこで窓口利用を考えるが、用紙に署名を求められる。もちろん、これもなかなか難しい。それができるくらいならATMを使っているということになる。そこで代理署名を銀行にお願いするが、拒否されることが多い(正確には多かった、ということである)。料金だってATMと窓口とでは差異がある。
 この問題を精力的に取り上げた千葉県の障害者条例推進会議では、県内の3銀行(千葉銀・千葉興銀・京葉銀行)と話し合いの機会をもち、事態の改善に動き出したというのである。

毎日新聞2010年3月4日の記事(抄)

 ◆千葉県で、視覚障害者が利用しやすい銀行づくりが進められています。

 ◇窓口の振込手数料減額 3銀行、ATMと同額に 県条例に基づき不利益解消へ

 2月中旬、千葉銀行真砂支店(千葉市美浜区)で、視覚障害者が窓口や現金自動受払機(ATM)の使い勝手を確認する「実地確認」が行われた。その後開いた反省会では、参加した視覚障害者団体の代表たちから、銀行へのさまざまな要望が出た。

 この取り組みは、千葉県が07年に施行した「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」に基づき、県と千葉銀行、千葉興業銀行、京葉銀行が進める視覚障害者が利用しやすい店舗づくりの一環だ。自治体と障害者、銀行の連携は全国でも珍しく、既に成果も表れている。

 その一つが、視覚障害者が銀行窓口を利用する際の振込手数料を、ATMと同額にしたことだ。千葉銀行は2月19日、千葉興業銀行と京葉銀行は3月1日からスタートした。当事者のかねての要望で、日本盲人会連合は「全国で初めてではないか」と言う。

 NPO視覚障害者サポートゆいの織田洋理事長によると、障害者が銀行窓口で代筆を依頼した際は、行員が代行することができると決められているが、いまだに店舗の窓口で「字を書けないのか」「家族を連れてこないとだめだ」などと言われ、手続きを拒否されることがあるという。

 織田さんは「お金は生きるためにとても大事なもの。ATMで人の手を借りなければ振り込みや通帳記入もできないという現状は悲しい。千葉県のような柔軟な取り組みがさらに広がってほしい」と期待している。



とてもすばらしい成果だと思う。最後の方のお話である「ATMで人の手を借りなければ振込や通帳記入もできないという現状は悲しい」という言葉は、その通りだと思う。

これに私は、二点ほど付け加えたい。

その1 同じ思いは、知的障害や精神障害のある方も感じているはずだ。ところが、この方々の場合は、人の手を借りるどころか、成年後見の利用を勧められ自分ではなにもできない立場に追い込まれている。そして誰も、それを不思議に思わない。どうしてだろう。この人たちも不満や悲しい思いを抱いているのだが、身体障害の方とは異なり、自分たちで声を上げることがなかなかできない,あえてあげても聞いてもらえない、そんな現状があるのである。

その2 標記の会合では、国債とか投資信託などの購入・解約にも話題が及んだ。これについても代筆を認めてくれないので困る、というものである。これはしかし、問題の質がまったくことなっている。これは、障害者の方の代筆を認めないのではなくて、障害のあるなしに関わらず代筆そのものを認めないのである。私はこれはおかしいと思うのであるが、金融商品の販売でおかしな商売を行うやからが後を絶たず、本人の意思確認を厳格にしたいというどこかの官庁の通達かなにかを、金融機関がボクトツにまもっているせいらしい。有効な委任状をもった弁護士ですら代筆を認めてくれなかったことがある。腕の動かないご高齢の方にどうやって署名しろというのか。日本の金融機関は、なにを考えているのか。いや、なにも考えていないのだろう。


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