2010/07/03

権利能力なき社団に対する強制執行(朝鮮総連ビル事件)

6月29日に最高裁が、権利能力なき社団の所有(構成員の総有)にかかる不動産について、その権利能力なき社団に対して債務名義をもつ(勝訴判決)金銭債権者が強制執行をする方法を示した判決を言い渡した。

29日に言い渡して、その日のうちに最高裁データベースに搭載され(商業データベースはまったく追いつけない)、その日の内に北大の町村先生がコメントをブログで書いている。いや早いなあ。

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2010/06/arret-36d8.html

最高裁判決はこちら 最判平成22年6月29日最高裁データベース

この事件は、町村先生ご指摘の通り、民訴的にとても興味深い判決です。そして、事実関係的にも実に面白い事件で、マスメディアはそちらの側面で取り上げています。

たとえば毎日新聞の6月30日の記事

朝鮮総連:競売訴訟 総連本部、差し押さえ可能 最高裁「資産認定確定すれば」
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部が入る東京都千代田区の土地建物を差し押さえるため、整理回収機構が登記上の所有者に対する執行文の付与を求めた訴訟の上告審判決が29日、最高裁第3小法廷であった。近藤崇晴裁判長は執行文付与を認めず機構側敗訴とする一方で、「土地建物が実質的に総連の資産と認めた確定判決があれば、差し押さえは可能」との判断を示した。差し押さえ実現に道筋を付ける判決となった。

 中央本部の土地建物は、総連議長が代表社員を務める合資会社「朝鮮中央会館管理会」名義で登記されている。機構は総連に債権約627億円の支払いを求めた訴訟で全面勝訴したが、土地建物の差し押さえに必要な管理会に対する執行文を東京地裁が付与しなかったため、付与を求める裁判を起こした。

ほかに沢山のメディアが報道していますが、記事が消えないことを祈って西日本新聞をあげておきます。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/181333

この最高裁判決は、結論的には執行文付与を認めなかったのですが、権利能力なき社団である朝鮮総連の所有であることを確認する判決があれば、直接、強制執行ができる、と判断しています。こっちはダメだけど、こういうやりかたがあるよと親切に教えてあげた判決ということになりましょう。

そして、その教えてくれた内容が、承継執行文の付与をもって行うという従来の考え方を否定して、朝鮮総連の所有であるとの朝鮮総連と管理会相手の確認判決があれば、直接、朝鮮総連相手に強制執行ができると判断したのですから、これは画期的な新判断です。なんだか、権利能力なき社団の訴訟上の取り扱いでもやもやしたところが、少し明瞭になったと思います。

なお、この判決の原審については、上智大の田頭章一先生が、判例時報2072号198頁(判例評論616号36p)で解説されています。

ところで、この朝鮮総連ビル、もともと登記名義は管理会だったのでしょうか。ご存じのように、元公安調査庁長官だった人が代表を務める投資会社に名義をいったん移転したとして、緒方元長官が逮捕され、朝鮮総連側の代理人である元日弁連会長の土屋さんとの関連もいろいろ取りざたされたことがあります。

朝鮮総連本部ビル売却問題

いろいろですなあ。

あ、こんなサイトもありました。
http://japanlaw.blog.ocn.ne.jp/japan_law_express/2010/06/post_7c36.html

http://japanlaw.blog.ocn.ne.jp/japan_law_express/2009/03/post_6b48.html

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2009/12/26

重度障害者の逸失利益、こんとは判決

先日、重度障害者の逸失利益を認める和解が裁判所で成立したという報道をご紹介した。
http://www.satosho.org/satosholog/2009/12/post-3f6f.html

こんどは、判決である。和解については、内容がいまひとつ明確でなくて、よくわからない面もあったが、こちらは判決なので内容が比較的あきらかになっている。従来であれば逆の判断が出たケースであった事例のようである。


 

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2008/06/13

ヤミ金は元本返済不要

6月10日第三小法廷のもうひとつの注目判例です。こういう新判例に接すると、「長生きはしてみるもんだ」とつくづく思います。

ヤミ金の借金、元本も返済不要
最高裁第三小法廷平成20年06月10日(最高裁サイト)

判例WATCHサイト

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2008/05/30

「だから」と「なのに」 裁判官の不祥事1

 宇都宮地裁の現職裁判官が、ストーカー容疑で逮捕されたニュースが飛び交っていた。報道は少し落ち着いたようであるが、この事件を素材に少しあれこれ書いてみた。数回の連載になる(予定です)。

 

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2007/07/05

ある後見紛争

最近の判例時報に掲載されていた事件である。まだ、データベースなどには登場していない。非常に興味深い事件なので紹介する。
東京地判H18・7・6日 判例時報1965号75p
 大正2年生まれの高齢者に関して、養子縁組と任意後見2件、法定後見利用が行われた後、養子の一人から関係者を相手に、最初の任意後見契約の解除の無効、後行する任意後見契約の登記の無効を理由に訴訟提起が行われた事案である。原告の全面勝訴である(控訴されている)

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2007/06/28

自傷で失明、元生徒側が逆転勝訴

精神科医のAFCPさんに教えていただきました。京都府の向ヶ丘養護学校の事件です。地裁は生徒側の1億円を超える損害賠償請求を棄却する判決を昨年の1月に出していましたが、大阪高裁は、今月(2007年6月21日)に6200万円の支払いを命じる逆転判決を出したようです。

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2006/12/28

姉歯・ヒューザー物件の最期

F1000021  今日は船橋市内をうろちょろしていましたが、目に付いたのは、こちらの風景。毎日見ているのですがゆっくり写真を撮ることが最近できなくて。姉歯・ヒューザー物件のマンションの解体がほぼ終わっています。
 前方に見えるのは、船橋中央市場の建物。まえはこれが見えなかったです。

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2006/12/08

米投資会社:毎日新聞社と和解

標記は、12月5日の毎日新聞からです。社会面の端になにげなく掲載されていましたので、気がつかない人も多かったと思います。

 日本国内の新聞記事でアメリカの会社が名誉を毀損されたとしてアメリカの裁判所に訴訟を提起したこの事件は、名誉毀損の考え方だけでなく、国際裁判管轄のあり方の点でも興味深いものです。仮に日本企業の米国法人がニューヨークの土地取引を不当な値段で行ったとニューヨークタイムズやワシントンポストに掲載されたとして、日本企業が日本の裁判所に名誉毀損訴訟を提起したらどうなるか、と考えれば、問題の所在が分かります。

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2006/11/28

母よ殺すなかれ

 なんとも痛ましい事件が報道されている。今月の6日に福山市内で30代の母親が、5歳と3歳のお子さんを殺害して警察に自首したというのである。子供は二人とも発達障害であったとか自閉症であったとかの報道がなされている(そのような報道をしていないところもある)。

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2006/11/26

パチンコ攻略情報被害判決

 判例時報1941号に標記の判決が掲載されていました。

 パチンコ攻略情報の売買契約に際して売主(情報提供者)から「100パーセント絶対に勝てる」などの勧誘を受けた買主がした購入契約が、消費者契約法4条1項2号所定の「断定的判断の提供」を理由として取消が認められた事例のようです。

 東京地裁判決平成17年11月8日判例時報1941号98頁

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