2010/07/18

茨城の成年後見とブルーベリー

 先日木曜日に、水戸に行ってきました。県内の知的障害者相談員の方々の研修会で成年後見のお話をする機会をいただいものです。「知的障害者相談員」とは地元の育成会が県から受託している事業のようで、多くはご家族の方々が相談員になっているようですね。で、そのつもりで出掛けていったのですが、県内の市町村の障害福祉課の方々も沢山お見えになっていて、おもわず行政に対する熱い期待を語ってしまいました。ご参加のみなさま、熱心に聞いていただきありがとうございました。

 水戸は、駅北口を出て裁判所まではなんどか往復したことがあるのですが、南口に降り立ったのは今回が初めてで驚きましたねえ。再開発が進んでいて北口とはまったく違う街になっています。北口が旧市街、南口が新市街というところでしょうか。時間があればゆっくりとあちこち歩き回りたいところでした。

 ところで、共時性というコトバがありますが、ものごとは重なります。まえに鳥取ネタが重なりましたが、今回は茨城ネタです。どういうことかというと、この講演の2週間ほど前に茨城の知人からブルーベリーが送られてきたのです。

Nec_0039


 一粒一粒が丁寧に作られた種なしブルーベリーです。とても美味しいですよ。やや大粒で食べ応えがあります。家族全員で、うまいうまいとあっという間に食べてしまいました。
 このブルーベリーは正見園という自閉症の方が栽培している畑で作られています。サイトもあります。
 http://www.speedway.ne.jp/~b-road/

一度、現地を見に行ってみたいとは思っているのですが、なかなか機会がなくて。でも美味しいつながりは、ちゃんとつながっていますから、それでいいのかもしれませんね。

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2010/07/09

AAPEPと選挙

 昨日、期日前投票にいきました。すごい混みようです。受付の前は長蛇の列。政党名を記入する比例区のしくみが変更になっていて少し戸惑いました。

さて投票に行く前に投票所入場整理券を見てみると家族4人の整理券が全部ありました。そこには、我が次男の名前もあります。もう二十歳を超えていますから当然でしょう。ほーー、来てるねえ、と家人に告げて私だけ投票所へ行きました。

昨日、次男のAAPEPの検査報告をご担当の方から詳細に聞きました。この検査、私の予想以上に的確です。家族の事前アンケートだけでなく、通っている事業所のアンケート、そして担当者の方が直接、本人面接していろいろチェックする直接観察の結果を踏まえて、実に丁寧な考察を加えているのです。そうとうな時間を割いてくださっていることは間違いありません。関係者の方に感謝・感謝です。

結果は,私の予想(希望)よりも次男の能力を低く評価してあり、説明を受けてなるほどと思うと同時に、できるところとできないところを無視して、あれこれ支援することが、本人をいかに混乱させているのか改めて反省するところ多々ありました。

で、検査項目の中に当たり前ですが、自分の名前を書けないというものがあります。そりゃそうですよ、文字はまったく書けない。ことばがないのです。で、はじめの話なのです。その彼に投票所入場整理券が来ています。おそらく実際に使うことはないでしょう。

AAPEPの結果は、障害程度が最重度であることを示しています。でも「だから」彼に選挙権は与えない、と言われると私はおかしいと思います。彼は、一個の人間であり、「自分の意思」というものを明らかに持っています。AAPEPの結果を見ても、そのことは分かります。いや日頃一緒に暮らしていれば誰でも分かります。

もし彼に投票行動がとれて、投票できれば、その意思を尊重すべきでしょう。彼に成年後見人をつければ、選挙権がなくなります。なぜ彼の選挙権を奪うのでしょうか。判断能力がないから?。しかし、成年後見で問題にしている判断能力は財産管理能力でしょう。政治的な思想信条をもつ能力を家裁が判定しているとはとても思えません。彼に選挙権があることで、国政に混乱が生じるから?。これもおかしいのです。最重度の人は実際に投票行動がとれないから、選挙権があろうがなかろうが、国政に投票行動を通じて影響を与えることは現状ではありえないのです。では、もし実際に投票行動がとれる程度の障害者がいたとして、その人の投票権を奪う理由は、なんでしょうか。判断能力がないから?。繰り返しになりますが、家裁はそのような意味での判断能力を判定しているワケではありません。そのような人は、適切な判断ができないから?しかし、A党に入れた人は適切ではなくて、B党に入れた人が適切である、などと判定する尺度が選挙制度にはあるのでしょうか。それは結果で決めるとするのであれば、選挙に負けた政党の関係者や投票者の選挙権をみな奪うしかない。そんなことは誰も考えないでしょう。投票というものは、そういうものです。

 もっとも、この問題はもっといろいろ考察しなければならない話があるように思います。たとえば未成年の子供に選挙権を与えないこととの比較です。しかし、これも正確な比較ではないようにおもいます。未成年の人はいずれ成年になります。つまり、いま必ずしも根拠のはっきりしない大人側の事情で選挙権を剥奪されていますが、いずれ選挙権を与えられることが約束されているのです。ところが成年後見人をつけた場合、その人の選挙権が復活することは現実にないでしょう。完全に政治社会から抹殺されるのです。なぜ、そこまで社会は障害者を嫌うのでしょうか?。それが分からない。そんなことを考えた一日でした。

選挙の時期になるとどこかで施設長が逮捕されています。投票者名を指示したというのがその大半です。ですが、選挙運動一般は、投票者を指示するのでしょう。菅さんも谷垣さんも、そのほかの方々も投票者を選挙民に指示しているのでしょう。ここが実は一番の問題です。障害のない人達に、この人に投票してくださいと御願いしたら、それは合法な選挙運動であり、障害のある人に同じことをしたらそれは違法な選挙運動である、というのはなぜでしょうか。障害のある人への選挙運動は、形の如何を問わず違法なのでしょうか。誰が立候補しているのか、どんな人なのか、そんな説明をすることを苦労しながらしているのでしょう。数年前につくば大学の学生がお金をもらって特定候補に投票したという事件がありましたが、この事件を契機につくば大学の学生の選挙権を剥奪せよという話は聞いたことがありません。当たり前だと思いますが、その当たり前のことが障害のある人に対しては、当たり前でなくなるから不思議です。

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2010/06/18

京阪奈丘陵 法と倫理のコラボ

京阪奈丘陵、私は京都で育ったので、その所在は聞いたことがある。ここに関西文化学術研究都市・別名「けいはんな学研都市」が建設されるという話は、もう何十年も前に聞いたことであるが、実際に着たのは今日が初めて。驚いた。とてもゆたっりした街である。

ここにある国際高等研究所で、とある研究会が開かれて、機会をいただいたので成年後見と自己決定にかかわる話を一時間ほどさせていただいた。

それにしてもすばらしい施設だ。梅雨であることをまったく忘れて、人間社会の抱える話題に精神を集中できる。

国際高等研究所の施設
http://www.iias.or.jp/profile/facilities.html

今日参加した研究会の案内はこちら。
法と倫理のコラボレーション研究会
http://www.iias.or.jp/research/project/2010_06.html

法学者が多く、しかも相当にレベルの高い方々の集まりなので、私の話が、他の先生方にどれほど参考になったのか、内心忸怩たるものがあるが、いつもの講演の癖で「毎年3万人弱の方が裁判所の手続きで選挙権を奪われている国が主要国で他にありますか・・・」とつぶやいてしまった(呟きにしては大きな声だったが)。これは響いたように思う。

ま、それはそれとして、私としては若い研究者が報告してくれた「状況的犯罪予防論」の話が収穫だった。状況整備から入っていくので、道徳的価値から中立に犯罪予防を議論できる。たとえばブラットホームの防御柵なんてのは、障がい者にとっては被害・加害両面でとても重要なのだが、これもなぜ必要なのかなんなく説明できる。福祉の現場で、触法障がい者がでたときに「支援不足」がよくいわれるが、それとも一脈通じるところがある。
報告者の方は、そういう問題として必ずしも論じておられなかったが、私には、そんな問題として聞こえたし、十分に価値のある議論だと思えた。
いや、いろんな議論があるなあ。明日も楽しみ。

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2010/02/08

知的障害者が後見人に就任して横領、他

後見人が被後見人の預貯金を横領するニュースが,知人から届いた。年間200件に上る解任事例の一こまであろう。

●1200万円横領容疑 地検が逮捕/秋田
http://mainichi.jp/area/akita/news/20100206ddlk05040018000c.html
これは後見人はいとこ。その母親に代って後見人に就任して、自宅の購入費用にお金を使ったらしい。

●知的障害者の200万円着服容疑――奈良、実質的な成年後見人を逮捕/奈良
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news007510.html
こちらは記事からは確認できなが、どうも後見人は親族ではないようだ。
友人か勤め先の社長か?

横領事例は家族だけでなく弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職でもあるから、「だから家族や非専門家はだめだ」と即決することはできない。

また前にも書いたが、裁判所が監督業務の中で発見している事例なので、裁判所の監督がまったく機能していない、と判断することも早計だろう。もっとも監督能力はかなり限界を超えているとは思うが。。。

しかし次の例は、いささかびっくりする。

知的障害のある人が、成年後見人に就任し、やはり知的障害のある母親といっしょに親戚の交通事故保険金などを横領したという事件である。逮捕されたときから話題になっていたようだ。

広島地方裁判所 福山支部平成21年03月24日判決

業務上横領罪が成立し,犯行の一部につき知的障害による心神耗弱の状態にあったと認定して懲役1年10月の実刑

最高裁判所HP 判例検索  http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=37718&hanreiKbn=03

この判例は判例集などには搭載されていない。上記の裁判所WEBでみることができる。

刑事事件では、裁判所は家裁の選任の落ち度を認めなかったのであるが、この後に国賠訴訟が起きている。
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/hiroshima/1252421460-0.html

この国賠事件がどうなっているのかは、知らない。判決がでていないのだろう。
選任過程にせよ、監督業務にせよ、家裁まかせにしておいてはいけない、ということだろう。地域ぐるみで支援し、おかしいと思えばどんどん家裁に上申することが必要だ。家裁の担当者だって目の前の後見人候補者が療育手帳を所持してるかいないか、なんて調べられないと思う。

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2010/02/01

最高裁の後見概況

最新版は下記のPDFですね。メモっておきます。
http://www.courts.go.jp/about/siryo/pdf/seinen09.pdf

このPDFに、平成20年の1月から12月までの集計が掲載されています。
平成21年はまだですね。
ちなみにその前は、4月から翌年3月までの集計だったので、過去との比較が難しくなっています。
が、上記最新版は、申立て件数については直近5年を比較していますので傾向は分かります。
過去の統計全部は下記です。これも私自身のためのメモです。
http://www.courts.go.jp/about/siryo/kouken.html

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2009/12/29

軽い一票と剥奪される一票

暮れも押し迫った28日に大阪高裁で、先の政権交代を実現した衆議院選挙の選挙区割りが「違憲」であると判断された。画期的な判決だそうだが、どのみち選挙は無効だという結論は出さないのであるから、あまり興味がなかった。ところが、今日の新聞を読んでいると、一票が一番軽かったのは千葉四区だったという。
 え、それって私が住んでいるとこです。。。

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2009/12/16

コミュニティフレンド養成講座と全国権利擁護支援ネットワーク、そして

 

土曜日は、午前の講義を済ませて、学生達ともう少し話をしたいと思いつつも、そそくさと船橋へ舞い戻った。
 コミュニティフレンド養成講座が開催されたので、法人理事長として少しだけ挨拶をさせていただくためである。この講座、当初は参加者が少ないのではないかと心配していたのですか、予想を超える参加があり、しかも千葉県内各地から多様な年齢層の方のご参加を得た。参加されたかたはもちろん、あちこりで広報をしていただいだ関係各位にああつく御礼申し上げたい。内容は、近々、法人のホームページに掲載されるであろう。

 翌日曜日は、平塚で開催された全国権利擁護支援ネットワークの関東ブロックフォーラムに参加した。シンポジウムのコーディネーターを務めさせていただいたものである。この会合も当初は参加者が少ないのでは、と心配されていたのであるが、こちらも予想以上の参加者があり盛会であった。
 

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2009/12/07

PACGの定例会とその後

 酒を飲まなくなって一月を超えた。「飲まなくても眠れるし、ご飯はうまいし、目覚めも快調。なんだ死なないじゃん」(苦笑)とは分かったものの「なんともつまらんなあ」とは思う。

 たばこは6年ほど前に辞めている。酒もたばこのやらない、ジムに行って汗を流すだけが趣味の聖人君主な人生でいいのだろうかと「反省」するものの、もはや元気がない。こういう体調の変化を世間では「老化」と呼ぶのであろう。とはいえ、少し元気が戻りつつある(ははは)。

 

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2009/11/30

特別縁故者への財産分与

  お亡くなりになった方に相続人がいない場合は、ご存じのように相続財産管理人が選任され、相続人を探して誰もいなければ、相続財産は国庫帰属となる。しかしその前に特別縁故者(民法958条の3)の申し出があれば、家裁が決定で財産の分与を行う。
 あんまり例がないだろうなあと思っていたが、平成20年に二つの決定例が報告されていた。最高裁データベースでは見ることができない。

 (3時間ほど前にアップした文章を書き直しました)

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2009/10/19

92兆円と裁判所

 政府の来年度予算の概算要求総額が92兆円と報道されている。
裁判所の要求額は、3375億円弱である。
 民主党政府は、司法府と立法府の予算要求は減額査定しないようであるから、この額で決るのだろうけど、それでも全予算の0.36%ぐらいであって、0.4%に満たない。

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