2006/07/18

饒舌から寡黙へ

以前、秋田県で起きた小学生殺害事件の畠山容疑者の供述を担当弁護士が詳細に記者会見で語ったことに驚きのコメントを書いた。
http://www.satosho.org/satosholog/2006/06/post_367e.html
今度は一転して守秘義務を理由に寡黙になったようである。私はこれで良いと思う。
http://www.asahi.com/national/update/0717/TKY200607170568.html

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2006/07/15

Garrow's Lawyers 7

 (6)の続きです。
 職業的役割を意識するとしても、以前もにも書いたようにこの事件では、党派性と中立性、専門性と人間性の対立があります。この言葉の意味については、このシリーズの第3回に解説をしておきましたが、最期にスコシ補足をしておきたいと思います。

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Garrow's Lawyers 6

弁護士に期待される社会的役割は多様です。
このことを経験豊富で学識に富む那須弘平弁護士(最近、最高裁判事い就任されました)は次のように書いておられます。
 「一人の弁護士が訴訟代理人として行動するについては、実に多くの利害関係者から多様な役割を期待されることになる。それら複数の期待は、常に一致したものであるとは限らず、むしろ相互に矛盾、対立する要素を含み、弁護士はこのすべてを充足することが不可能な場合のほうが多い。そのような場合には、弁護士は自らの価値判断で、矛盾、対立する役割の順序づけをして整理し、自己の行動の整合性を保つ。」(那須弘平「民事訴訟と弁護士」信山社・2001、12p)。

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2006/06/13

弁護士の饒舌はどうして?

 先日、テレビニュースを見ていたら、秋田県で起きた小学生殺害事件の畠山鈴香容疑者の報道が派手に流れていた。どうして殺したのか、その動機をあれこれコメントしている。その報道を見ていて、私は、びっくりした。

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2006/06/03

Garrow's Lawyers 5

 レークプレザント事件の顛末を、4回に亘って書いてきました。いかにもアメリカを思わせる派手な展開でした。さて、法律家はどう行動すべきなのか。なにをこの事件から学ぶべきなのか。
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Belge_and_armani
事件当時のArmani 弁護士(左)とBelge 弁護士(右)です。

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2006/05/13

party-trick hypnosis ?

 先日、尊敬する先生から、君のブログのGarrow’s Lawyers を読んだよ、とお声をかけていただいた。光栄の極みである。「しかし、Armani が催眠術を使ったのはほんとかね?」とご指摘をいただいた。わたしも同じ疑問がある。

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2006/05/02

Garrow's Lawyers 4

Fishkil
Armani とBelge そしてGarrowは、この事件の後どうなったのか。今日はそれを書きましょう。
写真は、Fishkill という刑務所の全景です。

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2006/05/01

Garrow's Lawyers 3

Armani とBelge の二人の弁護士に対する刑事訴追、懲戒申立ては、一応、二人に対してお咎めなしという結果でした。ここまでは前に書きました。
 ここで少し、弁護士の職業上の役割を敷衍させてください。前回、書いたようにこの事件の弁護活動には、職業上の道徳と人間としての道徳の対立的契機があるのですが、職業上の道徳の内部でも、対立的契機があります。

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2006/04/24

Garrow's Lawyers 2

 Garrow は有罪になり、1974年8月1日に25年から終身までの不定期刑を言い渡されます。事件は刑事司法としては一応、決着がついた格好なのですが、このケースはこのあとがすごいのです。
 全米が、二人の弁護士の弁護活動に批判の眼を向け始めたのです。写真は証言のあと法廷を出るGarrowです。Garrow01


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2006/04/23

Garrow's Lawyers 1

法曹倫理の講義の第二回目。レークプレザント事件の話をした。
昨年もそうだったが、この話は学生を法曹倫理の世界に引き込むうえでとても力がある。

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